カカオトーク お金の話が出たら|頼まれているのはアプリの外での操作

安全対策

カカオトークの安全に関する案内には、ほぼ必ず同じ一文が入っています。お金の話が出たらやり取りを終える、というものです。当サイトの記事でも、二十本以上に同じ趣旨の一行が入っています。ただ、この注意書きだけを覚えていると、実際にお金の話が来たときに気づけないことがあります。理由は単純で、依頼は「お金を送ってほしい」という形では届かないからです。

「お金の話が出たら終わり」は、お金という言葉が出る前提になっている

この注意書きは、金額や送金という言葉が画面に出てくることを想定しています。そこさえ見張っていれば止められる、という前提です。

しかし実際には、金額が出ないまま話が進むほうが多くなります。頼まれているのは「お金を渡すこと」ではなく、「こちらが何かの操作をすること」だからです。買う、登録する、番号を伝える、入力する。結果としてお金が動くのは、その操作が終わったあとです。

つまり、お金の話かどうかは、文面にお金の話題が出ているかでは判定できません。判定に使えるのは、こちらに何をさせようとしているかのほうです。

持ちかけ方は何通りもあるが、頼まれていることは一つ

カカオトークでよく見かける持ちかけ方を、実際に頼まれている操作と並べてみます。

持ちかけられ方実際に頼まれていることお金という言葉
立て替えておいてほしい自分の口座やカードから先に払う出ないことが多い
ギフトカードを買って番号を送ってほしい店で購入し、番号を伝える出ない
会いに行きたいが渡航費が足りない指定された先へ振り込む出る
荷物を送ったので関税を払ってほしい指定された先へ振り込む出る
一緒に投資をしよう、いい副業がある外部のサービスに口座やカードを登録する出ない
登録するだけでポイントがもらえる外部サイトに個人情報と決済情報を入力する出ない
本人確認が必要なので手続きしてほしい決済情報の入力画面まで進む出ない

右の列を見ると、お金という言葉がはっきり出るのは振り込みを求める二つだけです。残りは、こちらが自分の意思で何かを買ったり登録したりする形になっています。頼む側から見れば、そのほうが断られにくく、こちらから見れば「お金の話をされた」という自覚が持ちにくい形です。

カカオトークの中では、そもそもお金を渡せない

ここが、この話でいちばん見落とされている点です。カカオトークにはカカオペイという送金機能がありますが、これは韓国の銀行口座と携帯電話番号を前提にした仕組みで、日本では基本的に提供されていません。日本にいる利用者どうし、あるいは日本から韓国の相手に対して、トーク画面の中だけでお金を渡す方法はないということです。

だからこそ、お金にまつわる依頼には必ず「別の手段」の指定が付いてきます。銀行振込、店頭での購入、外部サイトへの登録、別のアプリのインストール。どれを指定されたとしても、その瞬間に話の舞台はカカオトークの外へ移ります。

この移動は、相手に悪意があるかどうかとは無関係に起きます。本当に困っている友人相手でも、日本から韓国へお金を渡すには国際送金に対応した金融サービスを使うしかありません。そして、外へ出たあとに起きることは、相手の事情では変わりません。

アプリの機能が効くのは、連絡が届く範囲まで

カカオトークには相手との関係を整理する機能がいくつもありますが、それぞれ何に効くのかは違います。

自分がすること相手からの連絡すでに渡したお金や情報
ブロックする届かなくなる変わらない
通報する止まらない変わらない
トークルームを削除する届き続ける変わらない
送信取り消しを使う変わらない変わらない
退会する届かなくなる変わらない

右の列がすべて同じ答えになります。カカオトークの機能は、これから来る連絡を止めるためのものであって、すでに外へ出たものを戻す仕組みは用意されていません。送金についても、送ったあとに自分の操作で取り消すことは想定されていません。

問い合わせ先も、この境目で変わります。アプリの不具合や課金の相談先とは別で、金銭の被害にあたる段階になると、担当はカカオの運営ではなく警察や消費生活センターになります。窓口の切り分けは、問い合わせ先を扱った記事にまとめています。

もらえる話も、自分が操作する点は変わらない

お金の話は、支払う向きだけとは限りません。報酬がもらえる、当選した、ポイントが入る、贈り物を受け取ってほしい。こうした持ちかけ方は、向きが逆に見えるぶん警戒しにくくなります。

ただ、受け取るためにこちらが操作をする点は同じです。登録する、決済情報を入れる、番号を伝える。実際には条件が非現実的で報酬が受け取れないケースや、贈り物を口実に情報を求めてくるケースが知られています。届いた贈り物そのものの扱いは、ギフトが届いたときを扱った記事で整理しています。

受け取る話でも、外部のサービスに何かを入力する流れが出てきたら、支払う話と同じ場所です。

相手が誰かを決められなくても、この一問には答えられる

カカオトークの画面には、相手が信用できるかどうかを示すものが並んでいません。掲示板で知り合った相手なら、判断の材料はさらに少なくなります。その状態で相手を見極めようとすると、いつまでも結論が出ません。

お金の話が便利なのは、相手の素性を決めなくても答えが出せる点です。問いは一つだけで足ります。その話は、カカオトークの外で自分が何か操作することを含んでいるか。含んでいるなら、相手が誰であっても、いったん止めて構いません。

この問いは、送り主が知り合いでも変わりません。乗っ取られたアカウントからは、本人の名前のまま「お金を貸してほしい」「ギフトカードを買って送ってほしい」という連絡が届きます。名前も写真も変わらないため、送り主を見ても判定できません。韓国語のやり取りを翻訳しながら進めている場合も同じで、金銭に関わる内容は訳文だけで判断しないほうが安全です。

相手が本当に困っている場合でも、答えは変わりません。事情が本当かどうかと、渡したお金が戻るかどうかは、別の話だからです。急いでいると言われたときほど、この一問に戻ってください。

まとめ

カカオトークでのお金の話について、押さえておきたい点をまとめます。

  • 依頼は「お金を送って」の形では来ず、買う・登録する・入力するという操作の形で届く
  • カカオペイは日本では基本的に使えないため、お金の話は必ずアプリの外の手段を指定してくる
  • ブロック・通報・削除・退会はこれからの連絡を止めるだけで、すでに渡したものには効かない
  • もらえる話も、こちらが外部で操作する点は支払う話と同じ
  • 判断の一問は「カカオトークの外で自分が何か操作することを含んでいるか」

お金の話を止めることは、相手を疑うことと同じではありません。相手が誰か分からない段階でも使える、数少ないはっきりした線引きです。

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