カカオトーク 先に伝えておくこと|相手の画面に何も出ない変更ほど一言がいる

使い方ガイド

退会する前に、機種変更する前に、グループに招待する前に。カカオトークの解説を読んでいると、最後に「事前にひと言伝えておきましょう」と書かれていることがよくあります。ところが、では何を、いつ、どこまで伝えればよいのかまでは、たいてい書かれていません。この記事では、カカオトークで先に伝えておく必要があるのはどんな場面なのか、そしてなぜ必要になるのかを、相手の画面に何が出るかという一点から整理します。

カカオトークには「これから起きること」を伝える仕組みがない

カカオトークが相手に知らせてくれるのは、すでに起きたことだけです。メッセージが届いた、通話がかかってきた、グループに招待された。どれも完了した出来事の報告であって、これから起きる予定を相手に届ける機能はどこにもありません。

離席中や取り込み中といった状態表示もなく、プロフィールのステータスメッセージに書いても、それは相手がプロフィールを開いたときにだけ目に入るものです。トーク画面には出てきません。相手が開いたかどうかも確認できません。

つまり、自分の側でこれから起きることは、自分の言葉で送らない限り相手には存在しないのと同じです。先に伝えておくという行為は、気づかいの問題である前に、仕様の穴を人力で埋める作業だということになります。

自分側の変更は、相手の画面では3通りにしか映らない

自分がアプリや自分のアカウントに対して何をしても、相手の画面での映り方は次の3つのどれかに収まります。

相手の画面での映り方あてはまる例相手が気づくとき
通知や表示が出るグループへの招待、グループからの退室その場ですぐ
表示が静かに書き換わる表示名の変更、プロフィール写真の変更、退会後に名前が「不明です」になる相手がその画面を開いたとき
何も出ない機種変更、アプリの削除、長い通話、電波の届かない場所への移動、アカウントの作り直し気づかない

3行目が問題になります。相手の画面には何ひとつ変化が起きないので、相手に届くのは「返事が来ない」という事実だけです。しかもこの見え方は、忙しくて開いていないときも、アプリを消したときも、関係を終わらせたいときも、まったく同じ形になります。

何も出ない変更ほど、先に伝えておく必要がある

直感に反しますが、相手に通知が飛ぶ操作より、何も出ない操作のほうが先に伝えておく必要があります。通知が出る操作は、少なくとも「何かが起きた」ことは相手に届きます。何も出ない操作は、起きたこと自体が相手の側に存在しません。存在しない出来事の代わりに、相手は自分で理由を埋めます。埋めるときに選ばれる理由は、たいてい避けられている、ブロックされた、といったこちらに不利なほうです。

判断に迷ったときは、この一問で足ります。

その操作のあと、相手の画面に新しく出てくるものがあるか。

出てくるなら、相手はそれを見て事実を知ります。何も出てこないなら、相手が受け取るのは沈黙だけなので、先に伝えておく側に回ります。ひと言あるかないかで違ってくるのは相手の気分ではなく、相手が持っている情報の量です。

先に伝えておきたい場面と、伝える中身

よく「事前にひと言」と書かれる場面を、相手の画面に何が出るかで並べ直すと次のようになります。

自分側で起きること相手の画面に出るもの黙っていると相手が考えること伝える中身
退会する何も出ない。のちに名前が「不明です」になり、送信もできなくなるブロックされたいつ消えるか、別の連絡手段
アプリだけ消す(アカウントは残す)何も出ない読んだのに返してこない見ない期間
機種変更する何も出ない返事が来ない移る時期、履歴が引き継げない可能性
IDを変えたくてアカウントを作り直す何も出ない。新しいアカウントは無関係の新規ユーザーとして届く知らない人から追加された作り直す前に、新しいIDそのもの
表示名を変える静かに書き換わる。過去のトーク履歴上の名前も新しい名前に置き換わる別人と入れ替わった変える前にひと言
長い通話や通話型のルームに入る発信した相手には「話し中」が出る出てくれないだいたいの所要時間
電波の弱い場所や時差のある土地に移る何も出ない返信が遅い、避けられている期間と、返信が遅くなること
写真や動画を送るその場では普通に開ける(時間が経ってから)消された保存期間があるので早めに保存してほしいこと

いちばん取り違えが起きやすいのは4行目です。カカオトークのIDは、一度設定すると変更できません。IDを変えたい場合は退会して作り直すことになり、友だちリストもトーク履歴もすべて失われます。相手の側から見ると、消えた知人と、無関係の新しいアカウントからの追加が、別々の出来事として届きます。作り直したあとに説明しようとしても、その説明を届ける経路がもうありません。

伝える期限は「実行する日」ではなく「相手が次に送ってくる前」

先に伝えておくといっても、直前に送れば足りるわけではありません。予告が効くのは、相手が次にこちらへ何かを送るより前に届いていたときだけです。

一度でも「返事が来ない」状態を相手が経験してしまうと、そのあとで事情を説明しても、相手はすでに自分なりの理由をひとつ決めています。あとから届いた説明は、事実の共有ではなく言い訳の形で読まれます。だから期限は、自分が操作する日ではなく、相手が次に送ってきそうなタイミングの手前に置きます。

やり取りの頻度が高い相手ほど、この期限は前倒しになります。毎日やり取りしている相手なら前日では遅く、月に数回の相手なら数日前でも間に合います。相手ごとに違う期限だと考えると分かりやすくなります。

通知が出る変更に必要なのは、予告ではなく順番

一方で、相手に通知や表示が飛ぶ操作は、性質が違います。ここで求められているのは予告というより、操作と説明のどちらを先にするかという順番です。

  • グループに招待する — 招待するとルームが増え、通知も届きます。突然増えたルームは相手にとって断りにくい形で現れるので、目的と人数だけを先に送り、返事をもらってから招待します
  • グループから抜ける — 退室するとルーム内にその旨が表示され、静かに抜けることはできません。抜けたあとに個別で説明しようとすると、残ったメンバーの前では説明のない退室のままになります

どちらも、あとから説明する形にすると相手の受け取り方を作り直す作業になります。順番を入れ替えるだけで、同じ内容がただの共有になります。なお、静かにしておきたいだけなら退室せず通知をオフにする選択もあります。

先に伝えなくていいこと、伝えても届かないこと

逆に、伝えすぎると効き目が落ちる種類のものもあります。

伝えなくてよいもの理由
今日は忙しいので返信が遅れます、を毎回送る繰り返すほど返信速度の約束として受け取られ、遅れるたびに説明が必要になります
変更する理由の詳しい事情事情を細かく書くほど、相手は返事に何を書けばよいか迷います
相手が操作しても変わらない設定の話相手の画面では確認のしようがなく、確かめられない情報だけが残ります
もう連絡が取れていない相手への予告ブロックや退会で経路が切れている場合、送っても届きません

最後の行が実質的な限界です。先に伝えておくという手段は、まだ相手とつながっている間にしか使えません。連絡が取れなくなってから別の手段で追いかけるのは、予告ではなく確認の行為に変わります。そして、相手の側で起きる変更については、こちらから予告のしようがありません。相手が機種変更しても退会しても、こちらの画面には何も表示されないため、原因の候補として頭の片隅に置いておくことしかできません。

まとめ

カカオトークで先に伝えておくかどうかは、次の点で判断できます。

  • カカオトークが相手に知らせるのは起きたことだけで、これから起きることを伝える仕組みはない
  • 自分側の変更は、通知が出る・静かに書き換わる・何も出ない、の3通りにしか映らない
  • 何も出ない変更ほど先に伝えておく。相手には「返事が来ない」という同じ見え方しか残らないため
  • 判断の一問は「その操作のあと、相手の画面に新しく出てくるものがあるか」
  • 期限は実行する日ではなく、相手が次に送ってくる前
  • 通知が出る操作に必要なのは予告ではなく、説明と操作の順番
  • すでに連絡が取れない相手には、先に伝えるという手段そのものが使えない

ひと言を先に送るのは、相手のためだけの配慮ではありません。黙って空けるほど、戻ってきたときに書かなければならない説明が長くなります。短い予告は、自分が戻りやすくするための準備でもあります。

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