カカオトーク ロマンス詐欺の見分け方|目印が出ないあいだに何を見るか
カカオトークの安全について書かれた記事には、たいていロマンス詐欺という言葉が一行だけ出てきます。恋愛感情を利用して金銭をだまし取る手口、という説明です。間違ってはいませんが、これは起きたことの要約であって、途中で気づくための説明にはなっていません。
カカオトークのロマンス詐欺が厄介なのは、手口そのものが特別だからではありません。ほかの勧誘や業者と違って、警戒するための目印が出ない期間を持っていることが厄介なのです。この記事では、よく使われる見分け方がどこまで効いてどこから効かなくなるのか、そして目印が出ないあいだに何を材料にできるのかを整理します。
よく使われる見分け方は、どれも相手の急ぎ方を目印にしている
怪しい相手の特徴としてよく挙がるものを並べてみると、ある共通点が見えてきます。
| よく挙がる見分け方 | それが目印になる時期 | この型で当てはまるか |
|---|---|---|
| プロフィールが作りかけで情報が少ない | 知り合った直後 | 当てはまらないことが多い |
| 知り合ってすぐ別のアプリへ移そうとする | 知り合った直後 | 移動は起きるが、急かされるとは限らない |
| 早い段階でお金や投資の話を出してくる | 最初の数日 | その期間には出てこない |
| 文面が不自然で、機械にかけたような日本語 | いつでも | 相手が国外にいる前提なら不自然ではない |
| 質問と噛み合わない返信が返ってくる | いつでも | 噛み合う返信が返ってくる |
| やり取りが続かず、既読だけがついていく | 最初の数日 | 逆に、途切れずに続く |
並べてみると、目印の多くが「相手が急いでいる」ことを条件にしているのが分かります。急ぐから不自然さが表に出る、という組み立てです。ロマンス詐欺と呼ばれる型は、この条件をそのまま外してきます。急がず、会話を噛み合わせ、金銭の話を出さない期間を置く。すると特徴の一覧はひととおりクリアされ、こちらの画面には目印が一つも残りません。
別のアプリへ移ろうと言われること自体は、それだけでは危険の印になりません。移動の判断については、移動を持ちかけられたときを扱った記事で別に整理しています。
目印が相手の側に出ないあいだ、変化は自分の側に出ている
そのあいだ何も分からないのかというと、そうではありません。見る場所が変わるだけです。相手の振る舞いではなく、自分の側に起きている変化のほうに材料が出ます。
| 自分の側で起きていること | どこを見れば確かめられるか | そこから言えること |
|---|---|---|
| 自分が話した量のほうが増えている | トークをさかのぼる、検索して見返す | 相手の手元には材料が増え、こちらには増えていない |
| 連絡の経路がカカオトークの一本だけ | ほかに交換した連絡手段があるか | 途切れたときに確かめる手段がない |
| 相手について知っていることが、すべて本人から聞いた話 | 名前や仕事や住んでいる場所の出どころ | 自分で確かめた材料が一つもない |
| この関係について誰にも話していない | 身近な人に一度でも話したか | 判断を一人だけで抱えている |
一つ目は、トーク内を検索して見返すと分かりやすくなります。自分の生活の話がどれだけ並んでいるか、相手の生活の話がどれだけ並んでいるかを比べるだけです。二つ目については、経路が一本しかない状態で何ができて何ができないかを、別の連絡手段を扱った記事にまとめています。
四つ目は機能の話ではありませんが、実際にはいちばん効きます。誰かに一度話すと、自分では気づかなかった偏りが、言葉にした時点で見えるようになるためです。
時間が経っても、確かめられることは増えない
やり取りが長く続けば、相手について知っていることは確実に増えます。仕事のこと、家族のこと、その日にあったこと。けれども増えているのは聞いた話の量であって、確かめられることの数は最初のまま動いていません。
カカオトークの画面には、相手の本名も職業も住んでいる場所も表示されません。プロフィールに並んでいるものも、本人が自分で入力したものです。つまり、一か月やり取りをしても三か月やり取りをしても、こちらが確認できる欄が一つ増えるわけではないのです。
ここで起きやすいのが、聞いた話の量を、確かめた材料の量だと思ってしまうことです。長く話したという事実は、相手について知っている量を増やしますが、確かめた量は増やしません。やり取りが積み重なるほど、この二つは区別しにくくなっていきます。なお、危険な特徴に当てはまらないことがなぜ信頼の証明にならないのかは、信頼できる相手の判断を扱った記事で詳しく整理しています。
金銭の話は、順番としていちばん最後に出てくる
金銭の話が出たらやり取りを終える、という注意書きはどの記事にも書かれています。この型で押さえておきたいのは、その注意書きがいちばん最後の地点を指しているということです。
順番としては、先に関係ができ、次に会えない事情が続き、最後に操作の依頼が来ます。依頼の形は送金とは限りません。口座やカードの登録、別のサービスへの申し込み、受け取りの代行といった形を取ることもあります。どの形でも共通しているのは、カカオトークの外で自分が何か操作することを含んでいる点です。持ちかけ方の種類と、そもそもカカオトークの中では金銭を渡せないという仕組みについては、お金の話を扱った記事にまとめています。
そしてこの地点に着いたとき、判断の材料はすでに偏っています。相手についての情報は増え、確かめられることは増えていない。この段階で「この人に限ってそんなことはない」と感じるのは自然なことで、その自然さのほうが手口の中身にあたります。
渡したあとは、アプリの機能が届かない
ブロックと通報は、これから届く連絡を止めるための機能です。すでに渡したものには届きません。
- ブロックしても、渡した情報や送ったお金が戻ることはありません
- 送金や振り込みには、あとからこちらの操作で取り消す仕組みが用意されていません
- 通報したことが相手に伝わることはありませんが、通報によって返金が行われるわけでもありません
相談先は、相手の身元をこちらで調べようとするよりも、警察や消費生活センターのような外部の窓口のほうが現実的です。カカオトークの画面から分かることと分からないことの境界は、身元の特定を扱った記事に整理してあります。窓口の切り分けについても、問い合わせ先をまとめた記事があります。
やり取りの記録は、相談するときの材料になります。落ち着かないままトークルームごと消してしまうと、あとで説明する材料がなくなります。記録の残し方には注意点があるため、証拠を残す方法を扱った記事も合わせて確認してください。
迷ったときに置く一問
相手が信用できるかどうかを決めようとすると、答えは出ません。代わりに、次の一問を置いてみてください。
相手について知っていることは、この一か月で増えたか。増えたのは、こちらが話したことのほうではないか。
この問いのよいところは、相手の素性を決めなくても答えが出ることです。増えたのがこちらの話のほうだけなら、どれだけ長く続いていても、判断に使える材料は最初の日と同じだけしかありません。そこから先に進むかどうかは、相手を疑うかどうかとは別に決められます。
まとめ
カカオトークのロマンス詐欺は、安全記事に並ぶ見分け方がそのままでは効かない型です。それらの目印は相手が急ぐことを前提にしており、この型は急がない期間を持っているからです。目印が出ないあいだに見るべきなのは、相手の振る舞いではなく、自分の側に起きている変化のほうです。
話した量の偏り、経路が一本しかないこと、相手についての情報がすべて聞いた話であること、そして誰にも話していないこと。この四つは、相手が何をしてくるかに関係なく自分で確認できます。金銭の話が出る地点は最後であって、そこまで待つ必要はありません。
当サイト「カカオトーク友達募集掲示板」では、カカオトークの友達を安全に募集できます。やり取りの始め方から気をつけたい方も、ぜひご活用ください。