カカオトークのオープンチャットは匿名だから安心?守られる範囲と届かない設定

安全対策

カカオトークのオープンチャットは、友だち登録をしなくても参加でき、ルームごとに決めたニックネームで会話できます。この匿名性は多くの案内で「安心して使える理由」として紹介されていて、実際に本名や電話番号を出さずに趣味の話ができるのは大きな利点です。

ただ、その説明は入口までしか届いていません。匿名で参加できることと、ルームに入ったあとに自分の身を守れることは、別の話だからです。この記事では、カカオトークのオープンチャットの匿名が何を隠しているのか、そしてルームの中で自分の設定がどこまで効くのかを整理します。

オープンチャットの匿名が隠しているのは「自分が誰か」だけ

オープンチャットでは、ルームごとに専用のニックネームとプロフィール画像を設定でき、普段の表示名とは連動しません。同じルームで何か月やり取りしても、相手が友だちリストに並ぶことはありません。参加者どうしは、アカウントとしてつながっていない状態のまま会話していることになります。

隠れているのは、この「自分が誰か」の部分です。本名も、電話番号も、普段使っているプロフィールも渡っていません。退室したときにルームへ出る表示も、ニックネームでのものです。身元を出さずに交流できるという説明は、ここまでは正確です。

一方で、隠れていないものもあります。ルームに書いた発言そのものは、参加している全員に読まれています。退室しても、自分がそれまでに送ったメッセージは他の参加者の画面に表示されたままです。匿名なのは名前であって、書いた内容ではありません。

ルームの中で、自分の設定はどこまで効くか

普段のトークで使っている設定や操作の多くは、オープンチャットの中まで届きません。オープンチャットが友だち関係の外側に作られた場所である以上、友だち関係を前提にした設定はそのまま効かないためです。何が効いて何が効かないのかを並べると、境目がはっきりします。

普段のトークでできることオープンチャットの中では決めているのは
友だちに追加して関係を作る何か月話しても友だちリストには載らない仕組み
相手をブロックして締め出す一対一のやり取りは止まるが、ルーム内の発言は表示され続ける仕組み
友だち以外からの受信を止める設定オープンチャットのメッセージには影響しない仕組み
メッセージや画像を他のトークへ転送するできないことがあるルームの管理者
いつでも発言する制限されていることがあるルームの管理者
そのまま参加する参加の条件を満たさないと弾かれるルームの管理者
通知を絞る、ルームを出るどちらもできる自分

右の列がこの記事の要点です。ルームの中で効いている設定は、ほとんどが自分の手の外にあります。仕組みとして最初から決まっているものと、ルームを作った管理者が決めているものに分かれていて、自分で動かせるのは最後の一行だけです。

相手を止める手段がなく、動かせるのは自分の側だけ

一対一のやり取りであれば、困った相手が一人いるときの対処ははっきりしています。ブロックすれば、その相手から自分に届くものは止まります。

オープンチャットではこれが成立しません。個人としてブロックしても、同じルームにいるかぎり相手の発言は表示され続けます。ブロックは特定のアカウントとのつながりを切る機能で、ルームの中の見え方までは変えないためです。メンバーを強制退室させる権限は管理者と副管理者にありますが、それは管理者の操作であって、参加者の側から使えるものではありません。

そのため、関わりたくない相手がいるときの現実的な対応は、通報したうえで自分がそのルームを退室することになります。普段は相手を止めることで解決していた問題が、ここでは自分が場所を離れることでしか解決しません。守り方の向きが逆になっている、と考えると整理しやすくなります。

困った場面ごとに、ルームの中でできること

場面別に並べると、手元に残っている操作の少なさと、その代わりにできることが見えてきます。

困っている内容ルームの中でできることあとに残るもの
特定の相手と関わりたくない通報して、自分が退室する自分がそれまでに送った発言はルームに残る
通知が多すぎる通知を切る、呼びかけられたときだけ受け取るルームには参加したまま
書いた内容を消したい退室する前に送信取り消しをしておく出たあとは自分では消せない
この相手とだけ話を続けたい改めて友だち追加をする普段のプロフィールが相手に見えるようになる

三行目と四行目には順番があります。消しておきたい発言があるなら退室が先ではありませんし、続けたい相手がいるなら、追加した時点でその相手に対しては匿名ではなくなります。オープンチャットから個人トークへ移るときに何が変わるかは、それを扱った記事にまとめてあります。

匿名は、相手の側にも同じだけかかっている

見落とされやすいのは、この匿名が自分だけのものではないことです。ニックネームの下には、年齢も、性別も、住んでいる場所も付いていません。相手について分かるのは、そのルームで書かれた発言だけです。

普段のやり取りであれば、プロフィール写真やステータスメッセージなど、会話以外の手がかりが少しはあります。オープンチャットにはそれがありません。手がかりが少ないことは、身元を出さずに済む利点の裏側でもあります。画面から相手について何が分かり、何が分からないのかは、身元の特定を扱った記事のほうで詳しく整理しています。

つまり、ルームの中で相手を見極めようとしても材料は増えません。増えていくのは、自分が書いた発言のほうです。個人情報をうっかり書かないという注意が繰り返されるのは、そこが唯一こちら側で増減するものだからです。

判断の一問は「自分が出れば終わることか」

迷ったときに使える問いは一つで足ります。その困りごとは、自分がルームを出れば終わるか。

通知が多い、雰囲気が合わない、特定の相手が苦手。こうしたものは退室で終わります。ルームの外まで追ってくる仕組みはありませんし、参加していたこと自体が普段のプロフィールに残ることもありません。

終わらないのは、すでにルームの外へ出てしまったものです。個人トークに移ったあとには、退室にあたる操作がありません。書いた内容を誰かが手元に保存していれば、それも退室では戻りません。オープンチャットの匿名が効いているのはルームの中までで、そこから一歩出た分だけ、元に戻すための手数は増えていきます。

逆にいえば、ルームの中に留まっているかぎり、いつでも抜けられます。これは普段のトークにはない身の守り方で、匿名と並ぶもう一つの利点だと考えてよいものです。

まとめ

カカオトークのオープンチャットの匿名は、自分が誰かを隠す仕組みです。本名も電話番号も普段のプロフィールも渡らず、退室の表示もニックネームで出ます。ここまでは、案内されているとおりの利点です。

ただし、ルームに入ったあとに効いている設定の多くは、自分の手の外にあります。ブロックしてもルーム内の発言は消えず、友だち以外からの受信を止める設定も届きません。発言できるかどうかも、転送できるかどうかも、ルームを作った管理者の側で決まります。自分に残っているのは、通知を絞ることと、退室することの二つです。

だから判断は「自分が出れば終わることか」で足ります。終わるなら退室すれば済みますし、終わらないのであれば、それはもう匿名の外で起きていることになります。なお、メニューの名称や項目の位置は、アプリのバージョンや端末によって異なる場合があります。

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